Rapha Prestige Kamikatsu - 準備編

4月9日に開催されたRapha Prestige Kamikatsuから早一週間が過ぎ、ようやくこのイベントについて自分の中でなんとなく消化できたような気がします。思考を整理するために、また今後参加する人たちの参考になればと思い、レポート的なものにまとめてみたいと思います。
Rapha Prestigeというイベントがあるのを知ったのは2015年の春のこと。北海道のニセコで何やらハードなライドイベントがあるらしい。2014年の夏にCCTYOがオープンして以来、ほとんどのライドイベントとライブビューイングに欠かさず参加していたものの、当時はまだRCCにも入会していなかったため、Prestigeについて詳しく知る機会もなく、「ふ〜ん」という感じ。開催地が北海道ということもあり、完全スルーを決め込んでおりました。
その後も折に触れてRCCコンシェルジュのスドーマンやCCTYOスタッフの大林さんからPrestigeは一度は体験しておいた方がいいと言われるも、やっぱり「ふ〜ん」という感じで聞いていました。
時は少し流れて2016年。RCCのパーティーで今年は四国と那須で春と秋にそれぞれPrestigeが開催されることを知りました。それからしばらくは移動を考えると那須がいいなぁ、と思いながらも上勝の方がRCCTYOからの参加者は少ないであろうという計算をし、旅費交通費を計算。車で行けば意外と安く済むことがわかり、それからはRCCの仲間たちにライドの最中に「Prestige出たい?」と聞いてまわる日々。でも脚力が近いレベルで、自分が一緒に走りたいと思えるメンバーを4人集めるのは意外と大変。
一人目はSeungYong。去年の夏前から一年近く、ほぼ毎週一緒に走り続けている。コイツは速い。体重差が20kgもあるのに登りで千切れない。油断すると抜かれる。平坦では後ろにつくのが精一杯。下りでは追いつける気がしない。しかも持久力もある。ぱっと見はデブだが一緒に走るとただの太っちょではないことがすぐにわかる。
二人目は新井さん。CCOSKから仕事の都合で引っ越してきた。RCCのフォーラムに上げた三浦半島ライドに参加してくれたのが知り合ったきっかけ。短い坂での瞬発力に関してはこの人に勝る人を私は知らない。元ボクサー故の身体の強さなのか?三浦ライドの後もちょくちょく一緒に走り、「Prestigeは一回は出ておきたいよね」と意気投合。
ここまでは正直あまり苦労しませんでした。大林さんが出たいと言っていたので声をかけてはいたものの、スタッフ故に参加し辛いという事情もあり、またできればまだ参加したことがない人を誘ってほしいという大林さんの希望もありました。で、メンバーが集まらなければ上勝は見送ってやっぱり那須かなと考え始めていたある日、SeungYongとCCTYOにいたところにたまたま現れたのがヒデさん。そこでSeungYongが「ヒデさん一緒にPrestige出ませんか?」時間も費用もかかることなので即答はしないヒデさん。でも結局数日後には「行く!」と言っていました。かくしてめでたく三人目確保。自転車歴がもっとも短く、体力的にやや不安があったものの、メンタルが強いので多分平気。きっと平気。
最後の四人目はアテが無く、ほぼ途方に暮れていたときにRCC TYOのフォーラムに上勝に出たいけどチームがないと書き込んだDarraghさん。即Facebookのメッセージを送って勧誘。Darraghさんとはこれまで何度もCCTYOのライドで一緒に走っていますが、どんな状況でもとりあえず速い。平坦でも、登りでも、下りでも大抵前の方にいる。時々突出しすぎてルートを外れてそのまま走って行ってしまうのがチャームポイント。
かくしてメンバーが揃いました。ノッティンガム出身の英国紳士。韓国から来た太っちょライダー。神戸生まれの社畜。同じく神戸の元ボクサー。大阪でも最も美しい言葉を話す河内生まれのリーダー。インターナショナルなようでかなり偏ったチームの出来上がり。
ここで改めてスドーマンからPrestigeについてレクチャーを受けました。新井さんとDarraghさんは都合が合わなかったのでSeungYongとヒデさんと3人で。Prestigeは、ただ単に厳しい(人によっては常軌を逸したと感じる)ルートを走っているわけではなく、100年前、ツールドフランス黎明期のライダーたちが走ったような未舗装路を含むルートを走ることでロードバイクというスポーツをもっと深く理解し、楽しむことができるという趣旨だという。だからマウンテンバイクには乗らない。シクロクロスも。あくまでもロードバイクで。シューズもペダルもロード用。グラベルの押し歩きを考えるとMTBペダルの方が明らかに楽だけど、楽して完走することが目的ではなく、完走できなくても苦しみを味わい尽くすことが目的なので、敢えてロードレース用の装備で参加する。クロモリフレーム、チューブラータイヤ、トークリップだともっと良いかもしれないが、そこまでの装備は急には揃えられないので、今回は自分の持っている範囲で出来る限り趣旨に合うものを選ぶことにする。
チームキットは全員がRCCのメンバーなので、全身RCC Kitで揃えることに。みんなはもちろんRCC Kitを一式持っていましたが、実は私はまだ買っていなかったのでこれを機に一式揃えることになりました。せっかくなのでヘルメット、グローブ、シューカバーなどの色も合わせます。みんな結構な出費になりましたが、後で写真を見ると統一感があって揃えて良かったと思えるので、これから参加する人は是非揃えましょう。全員が同じヘルメットというのは好みもあるので難しいですが、とりあえず色だけでも揃えれば良い感じにまとまって見えます。
で、よくよく考えるとこの5人で一緒に走ったことはないのでとりあえず練習しましょうということに。上勝のコースが150km、3500m upで当然ながらグラベルもあるという事前情報に基づいてトレーニングライドの計画を立てました。
一回目は足慣らしのために房総半島へ。Darraghさんは欠席。五井から鹿野山を経て養老渓谷まで。房総半島なので平坦多め、登りは2000m up程度のルートを引いてみましたが、後半に雨に降られたためショートカット。100km走って足を使った後に細かなアップダウンで苦しめようという企てでしたが果たせず。
二回目はグラベルに慣れるため伊勢原駅発着で宮ヶ瀬湖から裏ヤビツ〜ヤビツ西側のグラベルへ。CCTYOのライドで何度か来ているため、個人的には慣れたルート。大方の予想どおりヒデさんが登りで遅れる。グラベルでも遅れる。でも表情にはまだ余裕があるので平気。登れなくて止まってしまうほどではない。この日は90km、1900m up。
三回目の練習は新井さんの希望で伊豆半島一周へ。計画では240km、4600m up。この日もDarraghさんの予定が合わずその他の4人と新井Jr.の5人で出発。前日に全く寝られず、一睡もしないまま車で熱海駅へ。日没までに帰ってくるには5時には熱海を出発したいので家を出たのは1時半・・・。おかしなテンションのままスタートし、東伊豆の適度なアップダウンをこなしつつ南へ。自分でルートを引いておいてなんですが、できるだけ海沿いを行くルートを設定したため細かい登りが多い。普通に一周するだけなら通らないようなマイナーな坂を登る登る。みんなの足を削りつつ。それでも予定通りに東伊豆、下田、南伊豆を通過。ここまではそれなりにコンビニもあるので補給にも困らず楽しいライドでした。
問題は西伊豆に入ってから。すでにここまでで100km以上走っており、そろそろ飽きてきています。さらに西伊豆はコンビニが極めて少なく、休憩ポイントがありません。ルートは平坦基調の東伊豆に対して100m〜200m程度の登りが連続で現れるため疲労がどんどん蓄積していきます。ここでJr.が遅れ始めます。自転車歴が半年に満たず、父と異なりかなり華奢な体型なので体力的には厳しいはず。登りきったところでしばらく待ってもなかなか来ない。新井さんが輪行で帰らせようかと言い出したところでやっと追いついてきて一言。「パンクして修理してました〜」。パンクしてたにしては合流が早かったので体力は問題ないと判断して再スタート。ここから沼津市に入るまでの80kmはひたすらアップダウンを繰り返す。そろそろ疲労もピークに達しようというタイミングでもSeungYongだけ一人元気。登りでは独走でピュ〜っと登って行き、さらに下りではさらにペースを上げて圧倒的な独走。いつものことながら待つということができない。ガマンできない子。
沼津に入る手前で最後のコンビニ休憩。私もそろそろ疲れが出てきて食欲がない。仕方ないのでジェルだけ流し込んで固形物は食べずに済ます。そして最後の難関熱海峠に向かって沼津市街を抜け、熱海函南線を一路東へ。この時点で走行距離は200km、獲得標高も3500mに達していました。予定よりも1時間ほど遅れていたため登りに入る頃には18時を過ぎ日没。相変わらず元気なSeungYongはやっぱり登りを独走していきます。新井さんもSeungYongに続き、ヒデさん、Jr.と私の3人が後方に取り残されます。ここで私の体に異変が。足は回るものの、力が入らない。Jr.は半袖ジャージで暑い暑いと言っているのにアームウォーマー+ジレでも寒く、体温が下がっている。補給を少なくしたのが裏目に出たのかハンガーノックのような症状。カロリーはそれなりに摂取していたつもりでしたが、固形物を摂らなかったのがまずかったようです。仕方がないので二人を先に行かせてストップ。一本残していたSoy Joyストロベリー味を食べる。食欲は全くないけど食べる。水も飲む。まったく回復した感じはありませんが、立ち止まっていると体温が低下する一方なので軽い力でペダルを回します。幸いだったのが最後の峠の斜度がほぼ5%未満だったこと。なんとか登りきったところの信号で前の二人を捕まえて一緒に下りへ。熱海市街までの下りは15〜20%程度の急な下りなので安全第一でゆっくり下ります。途中でカーボンリムを冷やしていたSeungYongと新井さんとも合流しまとまって熱海駅へ。
結局、約13時間かけて伊豆半島を一周。予想よりもちょっと遅くなったと思いましたが、SeungYongのガーミンの平均速度は25km/h。235km走って、4000m登って平均速度が25km/hって結構速い。そして私は最後ダメダメでしたが、他のメンバーはまだ余裕がありそうだったので体力的にはPrestigeでも大丈夫であろうという手応えが得られました。Darraghさんのことは始めから心配していないので、本番もこのメンバーなら問題ない。
という訳で、前置きが’長くなったので、Prestigeの本編は後日。

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