Rapha Prestige Kamikatsu - 当日編 - 参

さて、前回の当日編-弐からずいぶん間が空いてしまいましたが、執筆再開。
スタートから約8時間、97km地点の八重地トンネルから今回の物語は始まります。ここから先はRapha Japan代表矢野さんのアドバイスに従い、何の下調べもせずに来ました。どんな道が待っているのか期待と不安を抱えてThe Glory Boysは進みます。
まずは国道193号線まで10kmほど下ります。ここでは特にトラブルもなくゆっくり下るはずでした・・・。ところが国道まで残り1kmに迫ったところで前方を見ると数人のライダーがストップしています。そこにいたスタッフによると、当初予定されていたルートが工事のため通行止になっているため迂回してくださいとのこと。距離的には少しだけショートカットになるらしい。さらに、驚いたことにCP2が16時でクローズ予定だという。これに関しては事前に全く通知されていなかったので寝耳に水。この時点で時計は15時15分。ルール上12時間で完走すればいいので残り40kmで3時間40分程残しており、余裕で完走できるペースを維持してきていましたが、ここからCP2まで約20km。慌ててGarminでルートをチェックすると5kmの登りもある。16時までにCP2を通過するのはどう考えても不可能。この制限時間設定については未だに納得できない思いがあります。スタート順が遅いチームは1時間以上のハンデを背負うことになり、それが事前に知らされないというのは理不尽と言わざるを得ません。そのせいで完走を逃したチームもあったことと思います。
で、話は戻りますが、詳しく聞くと16時に間に合わないチームがかなり多いので16時30分まで延長することになったとのこと。それでもかなりギリギリの時間。仕方がないのでチームでまとまって再スタートします。迂回路は急な下りでマイナス20%を超えるほど。スピードが出過ぎないようにブレーキを強く引きながら慎重に下ります。突然前を走っていた新井さんが路肩にストップ。急には止まれないので、そのままパスして下りきったところで新井さんを待ちます・・・が、なかなか下りてこない。様子を見に戻ろうかと思ったところにゆっくり下ってくる新井さんの姿。でもどこか様子がおかしい。
新井「アカン、フロントホイール壊れた・・・」
一同「・・・え?」
写真は壊れる前のものですが、この日新井さんが履いていたのはリムハイト80mmのENVEのカーボンクリンチャー。急坂の下りのブレーキングの熱でリムを破壊してしまった模様。制限時間の件と合わせて相当テンションが下がりました。フロントブレーキが全く使えない状態なのでここでリタイヤすることも検討せざるをえない状況。とりあえず走る分には問題なさそうですが、下りで急な減速ができないので危険はあります。ゴールまで距離が短いこともあったので、新井さんが危険を感じたらリタイヤすることを条件に再スタートすることにしました。
坂州木頭川に沿って国道193号線を南下。追立ダムや長安口ダムなど景色が美しいのですが、あまり楽しむ余裕もありません。わずか30分前までは余裕で完走モードだったのが、昼食を摂ってないことからくる空腹、制限時間への焦り、新井さんのホイールの状態などネガティブな要素満載で楽しむどころではなくなってしまいました。
少し走ったところで今回のルートで2件目のコンビニを発見。時間は気になるものの、補給無しで最後の登りに臨むのは危険なので小休止。しかし店に入るとイナゴの大群が襲った後のように商品が少ない。先行するチームが食い尽くしてしまったようで、お弁当の類は全滅でした。私は下りで体が少し冷えていたので、棚に残っていたカップヌードルカレーをいただきました。
暖かい食事で元気を取り戻したチームは再び先を急ぎます。時計は15時50分。CP2までは約20kmでした。実際は走りながらGarminをチェックしているのでCP2までの距離やルートの詳細はよく分からず、とにかく急いでCP2を目指しました。
123km地点で国道193号線を離脱。いよいよ最後の登りに突入。ここまではやや下り基調の平坦なので5人でまとまってきましたが、ここから先は一人一人疲労度も異なるので、比較的元気なSeungYongとDarraghの2人を発射。私が真ん中で一人。後ろに新井さんとヒデさんと別れそれぞれのペースでCP2まで登ります。途中、つづら折りの坂で他チーム(多分オレンジーズ)の人をパス。「もうちょっとCP2ですよー」と声をかけ、同時に自分にも喝を入れる。
結局16時50分にヘロヘロになりながらCP2に到着。先行した2名はまだまだ余裕がありそうな感じ。程なくして後ろの2人も合流。16時30分を大きく過ぎてしまったのでここで足切りかなとドキドキしていましたが、何事もなかったかのようにCP2のスタンプを押してもらえて一安心。残り2時間で距離は18km。ここからGoogle Mapでも表示されない林道に突入するわけですが、なんとかなりそうな予感がしてきます。ここでSeungYongの機転でSeungYongと新井さんの後輪を交換。後ろブレーキのみでもアルミリムの方が減速しやすいであろうという判断。この対応が良かったのか新井さんはここから激しくペースアップして私は置き去りにされてしまいました。
Darraghさんも新井さんに続いて先行。個性と自主性を重んじるThe Glory Boys的には問題ないので引き続きそれぞれのペースでグラベルを進みます。あまりに道が悪いのでほとんど写真を撮れなかったのですが、これは数少ない写真の中の1枚。見ての通り右側が崖なので、道の左側を走りたいところですが、左側は山側から落ちてきたと思われる大きな岩がゴロゴロしていてとても走れない状態。仕方なく右側を走りますが、時折現れる道を横切る深い溝や崖側の崩落に悩まされます。一箇所だけ安全のため歩いて溝を越えましたが、ゆっくり行けば押し歩きの必要はなく、どうにかこうにか乗車で行ける。そんな素敵なグラベルでした。グラベル好きの人以外にはとてもおすすめできない道を堪能させていただきました。
約5km、獲得標高300m強の登りグラベルを50分かけてえっちらおっちら登りました。平均勾配は6%ほどでギアはもちろんインナーロー。峠を越えて下りに入ったところでまた合流。道は大分マシになりますがグラベルはまだ終わらず、アップダウンが7km弱続きます。
時計は18時28分。日も落ちて森の中は真っ暗。残り距離は8km。あとは下るだけ。新井さんのホイールも大丈夫そう。時間的には余裕。チームには安堵感が広がります。
ところが、

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